【近藤勇の出頭】
〜切腹か出頭か〜

近藤・土方の決断
流山に転陣した新撰組でしたが、新政府軍は流山に旧幕府兵が潜んでいるとの情報を即座にキャッチし、流山本陣を包囲します。

内藤隼人こと土方歳三は、「新政府軍に恭順する幕府の方針に従い脱走兵や一揆を鎮圧する鎮撫隊であり、新政府軍に不敬はしない」こと説明します。

それに対し新政府軍は、「鎮圧は新政府軍の任務、すぐに兵器を差し出し誠意を示せ」と迫ります。

土方はこれに従うと答え本陣内に戻ると、
近藤勇は切腹の覚悟を決めていました。

しかし、土方はこれに異をとなえ、
「ここで割腹するのは犬死にである。大久保大和(近藤勇の名前を隠すために改名したもの)として、あくまでも鎮撫が目的であった事情を説明しろ。もし出頭するようなことになったら、その間俺は政治工作をし、救出するから」
と説得します。

(後に土方歳三は、このときの切腹させなかったことを後悔することになります。)

切腹を望んだ近藤でしたが、土方の説得にこれを了承します。

覚悟を決めた近藤は、あくまでも大久保大和として新政府軍の前に姿を現し、武装解除に応じるため、新政府軍を分隊の屯所に案内しました。


近藤勇ではないか?
新政府軍に従順な姿勢を示していた近藤でしたが、不運にも新政府軍の中に京都で近藤勇を見かけたことがある兵士(彦根藩・渡辺九郎左衛門)がいたため、大久保大和=近藤勇ではないかという疑いがかけられてしまいます。

新政府軍は思わぬ情報に、密かに沸きました。
しかし、渡辺も絶対の自信はありません。
このあやふやな情報で近藤勇であることを指摘してしまえば、今のところ従順な姿勢を示す相手(新撰組)が抵抗ををはじめてしまう可能性がある。

新政府軍は、このことにはふれず、あくまでも丁重に、
「兵具を差し出していただいたので、特に問題はないが、一応、本営に出頭し事情を説明し謝罪してください」とし、近藤もこれを了承しました。

近藤勇だ!
近藤は板橋の新政府軍の本陣に連行されることになりました。

新政府軍はここで、この大久保大和が近藤勇であることを確かめるために、ある人物を呼び寄せます。

元御陵衛士の加納鷲尾と清原清です。

2人は物陰から大久保の姿を覗くと直ちに近藤勇であることを断言しました。
そして、近藤の部屋に入りました。

「大久保大和、改め近藤勇っ!」と加納に声をかけられた近藤は、一瞬にして顔色が変わったといわれています。

あくまでも大久保大和として新政府軍に応対し早々に釈放されると期待していた近藤でしたが、ついに自ら正体を認め、捕縛されることになってしまいました。


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